国連職員になるには?専門職・管理職の応募条件、給料・福利厚生、応募方法

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国連職員になりたい!

専門職・管理職の応募条件は?給与・福利厚生は?応募方法は?

の疑問にこたえます。

この記事では、国連で働く専門職・管理職の仕事内容、必要なスキル・経験、給料・福利厚生、応募方法を紹介します。

専門職・管理職とは

専門職(Pスタッフ)と管理職(Dスタッフ)は、国際的な公募で採用され、国連システムの各組織での状況やポジションに応じて柔軟に貢献することが求められます。

専門職の仕事内容

仕事内容は、次の8つのカテゴリーの中で多岐にわたります。(注1)

  • マネジメントとオペレーションサポート
  • 経済社会開発
  • 政治・平和・安全
  • 情報通信技術
  • 法務
  • 広報と渉外
  • 会議マネジメント
  • 安全とセキュリティ

管理職の仕事内容

管理職(D-1, D-2)は、国連機関での各種プログラムの管理、オフィスでの行動計画の立案・実行、優先順位の決定、成果管理、そして人・金・時間の資源配分を調整するリーダーとしての役割を果たします。

上級専門家(P-6, P-7)は、上級アドバイザーまたは専門家として働き、国連で数年にわたり分析や研究を行います。(注1)

専門家に必要なスキル・経験

学歴

専門職と管理職のポジションでは、修士以上の学歴が求められます。学士で2年以上の職務経験で応募できる公募もありますが、実際に採用される人材は修士以上の場合が多いです。

軍事、文民警察、医療、会議運営などの特殊なポジションでは、一般的な教育要件とは異なり、公募内容により要件が設定されています。例えば、医師は必ず修士の学位が必要です(学士+経験では不可)。

Language positionなどのその他ポジションでは、学士で応募することも可能です。(注1)

職歴

応募するポジションに関連した職務経験が必要となります。中級レベルや上級管理職ポジションでは、段階的に責任のある立場での経験が求められます。(注1)

国連職員(専門職以上)のグレードと必要な職務経験
[出典] Staff categories – UN Careers – the United Nationsより筆者まとめ

求められるスキル・能力

専門職には、一般的に次のスキル・能力が高い水準で求められます。(注1)

  • 分析力
  • コミュニケーション能力(英語orフランス語が流暢であることは必須)
  • 経験に基づく専門性
  • 経営的なリーダーシップ能力

通常、専門家以上のポジションでは、問題分析・評価、アクションプランの代替案などの意思決定が求められます。また、大学レベルの理論や専門知識を体系的に理解していることも必要です。

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給料・福利厚生

給料は勤務する地域や職員のレベルで大きく変わります。

例えば、東京で勤務の場合、国連の専門職・管理職の年収は約851万〜3321万円(1USD=105円、2020年9月現在)に加え福利厚生が支給されます

給料

国際的な公募での専門職以上の国連職員の給与水準は、最も高い給与を支払っている国の公務員の給与水準を基準として、職務レベル、勤務地の生活費、治安の状況などを考慮して設定されます。国連職員間で差が出ないように多くの下部機関や専門機関では「国連共通制度」(UN Common System)を適用していますが、同じ専門機関でもOECD、IMFや世界銀行グループ等では、国連共通制度を適用せず独自の給与システムや福利厚生制度があります。

ここでは国連共通制度を紹介します。年収の計算式はこちらです。

年収=基本給+地域調整給

このほか、扶養手当、教育補助手当、困難地手当、住宅補助金が支払われます。

基本給

基本給は、職務レベル(P-1~D-2)とステップ(I~XIII)により決まります。

各レベルでの基本給(税抜前)のレンジはこちらです。

国連職員(専門職以上)の基本給のレンジ (1UDS=105円で計算)
[出典] 下記の国連職員の税抜前の基本給から筆者作成

上記のソース元はこちらの2020年版の給与表です。International Civil Service Commission (国連人事委員会, ICSC)が毎年更新して公開しています。

国連職員の税抜前の基本給(専門職以上, Gross salary, 単位:USD)
[出典] International Civil Service Commission, Salary Scales of Professional and Higher Categories, January 2020
地域調整給 (Post Adjustment)

勤務する地域で生活水準の差を調整するために支給されます。各地の生活費や為替変動を考慮し、ICSCは地域調整乗数を算出しています。為替リスクはここでヘッジされます。

地域調整給=基本給×地域調整乗数

年収=基本給+地域調整給

2019年1月の東京の地域調整乗数は80.2でした。(注4)

例えば、東京在住のP-2のステップIIの場合、

年収=60,157 USD×1.802×105 JPY/USD=11,382,306円となります。

扶養手当

配偶者の年俸が規定を超えない場合、地域調整額を含めた手取年俸の6%が手当されます。そのほかシングルペアレント手当、扶養子女手当などがあります。(注2)

教育補助手当

基本的に子供が自国外で大学院卒業(25歳)まで、または最初の学位を取得するまで、勤務地ごとに定められた上限額の75%まで支給されます。(注2)

困難地手当

治安や健康上生活が非常に困難な国または地域に勤務する職員に対し支給されます。(注2)

住宅補助金

新しく赴任した勤務地で給与の一定額を超えた住居を超えた場合、一定割合が補助されます。このほか、赴任地への移動に必要な手当(赴任手当)や異動手当などが支給されます。(注2)

福利厚生

休暇

休暇は、契約形態や契約にもよりますが、基本的に年18~30日の有給休暇を取得できます。また、帰国休暇や健康管理休暇、家族訪問休暇なども取得できますが、回数は赴任地しだいです。このほか、一定期間学問や研究に専念するためのサバティカル休暇(有給か無給かは期間や条件による)や、医師からの診断書が必要のない病気休暇(年間7年間)などもあります。(注2)

健康保険

健康保険は、国連機関が提携している外部の保険会社を利用しています。保険料は日本の企業で労使が分担するように、機関と職員双方が負担する形になっています。

国連医療サービスによると、6カ月以上採用される国連職員は、転勤による赴任地変更や機関変更の際には、健康診断を受け、国連医療サービス機関による認可を受ける必要があります。

年金

6カ月以上の任期で採用または6カ月間国連に勤務した職員は、国連合同職員年金基金に加入できます。掛け金は給料から天引きです。5年以上勤務すると年金の受給資格が生じ、退職前の給与の一定額を年金として受給できます。

5年未満の場合は、退職時に一括で支払われます。

応募方法

国連システムのなかにはさまざまな機関があり、UNICEFやUNDPなどの補助機関や専門機関は独自の人事システムを持っています。機関や職種、職員の雇用形態によって採用の手続き、公募方法が異なっています。

職員の採用は下表にあるようにグレードにかかわらず空席公募による採用が基本になります。空席が出ても国連組織の内部候補者が優先される場合もあります。外部からの応募の場合、空席公募からの書類選考、面接を経て採用が決まります。

国連システムへの就職方法
[出典] 世界で活躍する仕事100 ―10代からの国際協力キャリアナビー

空席公募

空席公募の情報を調べる方法はこちらです。

・国連事務局の個別ポストの空席広告は「UN Career」に掲載されます

・下部機関や専門機関などでは各機関のサイトで空席広告を行っています

 例) UNICEFの空席広告:https://www.unicef.org/about/employ/

    UNDPの空席広告:https://jobs.undp.org/cj_view_jobs.cfm

・外務省 国際機関人事センターでも、「空席情報」を掲載しています

UN Careerのサイトではこのように掲載されています。(2020年9月22日時点)

UN Careerでの空席公募の掲載内容 (2020年9月22日時点)

JPO制度

JPOは、35歳以下の若手の日本人に対し、原則2年のあいだ国際機関で勤務経験をできる派遣制度です。外務省のサポートを得て、正規職員と同様の勤務経験をでき、この期間の経験や人脈を生かして次のポスト獲得にむけた活動をできるメリットがあります。

YPP (国連事務局のYoung Professional Program)

国連事務局が若手を対象に採用するプログラムです。合格するとP2レベルの職員になります。いわゆる、国際レベルでの新卒採用です。

▽応募資格はこちら

  • 受験年の12月31日までに32歳以下であること
  • 応募分野関連で学士号以上
  • 英語またはフランス語での職務遂行をできること

通常の国連の仕事は実務経験が求められるポストがほとんどですが、YPPでは実務経験を問われません。

1年に1回の募集で、年により募集の国籍や職種が異なるため、毎年受験できるわけではありません。YPPはとても狭き門で、2011年~2016年にYPPで国連職員になった日本人はたったの4人でした。(注2)

Take Action!

この記事のポイントは、こちらです。

  • 専門職の仕事内容は、マネジメントとオペレーションサポート、経済社会開発、政治、平和および安全保障などで多岐にわたります。
  • 管理職になると、プログラム管理やリソース管理が求められます。
  • 専門家以上で必要なスキル・経験はこちらです。※language positionなどでは例外あり
    • 修士以上の学歴
    • 応募するポジションに関連した職歴
    • コミュニケーション能力(ビジネスレベルの英語orフランス語は必須)
    • 経験に基づく専門性and/orリーダーシップ
  • 国連職員の給与は勤務する地域や職員のレベルで異なります。例えば東京勤務の場合、専門職・管理職の年収は約851万〜3321万円です。これに加え、その他手当や福利厚生が支給されます。とても手厚いです。
  • 応募方法は、空席公募、JPO制度、YPPがあります。
  • ほとんどのポジションが1年未満の公募のため、短期で成果にコミットする必要があります。

読者の皆さんのキャリア選択のお役に立てれば嬉しいです。

次の記事で会いましょう!

出典

(注1) Staff categories – UN Careers – the United Nations

(注2) 世界で活躍する仕事100 ―10代からの国際協力キャリアナビー

(注3) International Civil Service Commission, Salary Scales of Professional and Higher Categories, January 2020

(注4) ICSC, Consolidated Post Adjustment Circular 2019

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