国連職員とは?役割・仕事内容・国連で働く日本人

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  • 国連職員とは?
  • どのような仕事をしているの?
  • 国連職員の種類は?
  • 日本人職員の数は?女性の数は?

の疑問にこたえます。

この記事を読むと、国連職員の概要、スタッフの種類、そして統計から国連で働く日本人や女性などについて分かります。

国連職員とは?

国連システムに所属し、紛争の終結、貧困の緩和、気候変動対策、人権の擁護などの世界でのさまざまな問題解決に取り組みます。

具体的には、国連事務局や補助機関のUNICEF、UNHCR、UNDPなどの国連システムの機関に所属し、専門性を生かして働きます。

仕事が多岐にわたることから、国連職員は在職中に部署や部門、勤務地、さらには勤務先の機関や職務分野を変えることもありえます。

193の加盟国出身の約4万4,000人から成る国連職員は多様性に富んでいます。国連で働くということは、異なる背景や文化をもち、幅広い観点や経験、アプローチを有する多文化チームで働くことを意味します。

紛争、人権、貧困、気候などのさまざまな問題解決の手助けをするのが国連の役割であり、国連職員は事務局での勤務よりも、実際に問題が起こっている世界各地に赴任し、現地にてその問題解決に取り組む職員が多いのが特徴です。

およそ4万4,000人の国連職員のうち、約60%は世界中のフィールド(=支援対象地)で活動しています。(注1)

役割・仕事内容

国連には、国際の平和と安全の維持、国家間の友好関係の構築、社会発展、生活水準の向上および人権の推進の役割があり、その達成のために国連職員は働きます。

国連は幅広い問題について行動を起こすとともに、総会、安全保障理事会、経済社会理事会、その他の機関や委員会を通じ、193の加盟国が自国の見解を表明できる場です。

世界の隅々にまで及ぶ国連の活動は、持続可能な開発、環境と難民の保護、災害の救援と軽減、テロ対策、さらには軍縮や核不拡散など、幅広い根本的な課題に重点を置いています。

2015年9月の国連サミットで、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標として「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択されました。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。

その17のゴールは下記のとおりです。

  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  8. 働きがいも経済最長も
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. つくる責任 つかう責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守ろう
  15. 陸の豊かさも守ろう
  16. 平和と公正をすべての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう
SDGsのゴール一覧
[出典] 国連広報センターより

この17のゴールのSDGsは、世界のすべての国々とすべての主要開発機関が合意した2030年の世界のあり方です。

国連職員の種類は?

一般的に国連職員と言われるポジションは5つあります(特別なポジションを除く)。いわゆる国際公務員や国際職員です。

  • 一般職…その国の現地で働くスタッフとして、特定の地域で働き続けることが求められます。総務や秘書などの補助的な仕事や、警備などを担います。一般職から専門職への転職は難しいため注意が必要です。通称:GSスタッフ(General Service)
  • 専門職…国際的な公募による採用で、さまざまな国で働くことが求められます。通称:Pスタッフ(Professional)
  • 管理職…専門職が管理職レベルとして、さまざまな国で働くことが求められます。通称:Dスタッフ(Director)
  • フィールドスタッフ…通称:FSポスト(Field Staff)
  • 国家職員…国際職員と一般職員のハイブリッド型で、求められるレベルは専門職と同等のレベルですが、一つの勤務地で働く職員です。給料、福利厚生も一般職よりも優れていますが、勤務地によってはその数が圧倒的に少ないことがあります。通称:NOスタッフ(National Professional Officer)

統計から分かる国連職員

日本人職員の数は?

国連関係機関の日本人職員数(専門職以上)は、850人です。(2018年時点)

日本人職員は年々増加傾向にあります。

国連関係機関の日本人職員数(専門職以上)推移
[出典] 外務省 日本と国連

一方、次の表からわかるように、日本人職員数(全職種)は1,071人(2017年)です。1位のアメリカでは人気の就職先約5200人が勤務し、学生の人気の就職ランキングTOP 100にも国連システムはランクインしている状況を踏まえると、日本とのギャップは大きいです。

また、フィールドオペレーションが行われているスーダン、コンゴ民主共和国、ウガンダなどの出身者も多く働いています。

日本は国連の予算に占める分担率(9%)に対して、国連システムで働く日本人職員数(2%)がとても少ないことが課題です。そのため、日本政府は国際機関で働く日本人を増やすために、JPO派遣制度や広報活動を行っています。(注3)

UN staff nationality
[出典] UNITED NATION SYSTEM, HUMAN RESOURCES BY CATEGORY

国連システムの機関ごとの職員数は?

組織ごとのスタッフ数はこちらです。国連事務局などの国連本体で働く職員が約3.4万人で最も多く、それに続きUNICEFで約1.2万人、UNHCRで約1万人、WHOで約8000人、UNDPで約7000人、WFPで約7000人が働いています。(2017年時点)

国連システムの機関ごとの職員数 (2017年)
[出典] UNITED NATION SYSTEM, HUMAN RESOURCES BY CATEGORY

女性職員の数は?

国際機関は女性が多彩に活躍できる職場です。職員の採用は世界中の人びとを対象とした競争を経て実施されるので、国籍や性別ではなく、個々人の能力や経験が重視されます。

国連職員(専門職以上)での女性の構成はこちらです。(注2)

  • 女性16,026人 (44%)  
  • 男性20,283人 (56%)

国連では、女性職員数を50%にすることを目標に掲げ、空席ポストへの女性の応募を強く推奨しています。(注1)

まとめ

  • 紛争、人権、貧困、気候などのさまざまな問題解決の手助けをするのが国連の役割であり、国連職員は事務局での勤務よりも、実際に問題が起こっている世界各地に赴任し、現地にてその問題解決に取り組む職員が多いのが特徴です。
  • 国連職員は、193の加盟国出身の約4万4,000人が働いています。国連で働くということは、異なる背景や文化をもち、幅広い観点や経験、アプローチを有する多文化チームで働くことを意味します。
  • 国連職員の種類は、一般職、専門職、管理職、フィールドスタッフ、国家職員の5種類があります。
  • 日本人職員の数(専門職以上)は、850人(2018年時点)です。日本政府はこの数を2025年までに1000人に増やそうとしています。
  • 国連ではたらく女性(専門職以上)は、44%(2017年時点)です。国連では、女性職員数を50%にすることを目標に掲げ、空席ポストへの女性の応募を強く推奨しています。

出典

(注1) 国連の職員とは

(注2) UNITED NATION SYSTEM, HUMAN RESOURCES BY GENDER (PROFESSIONAL)

(注3) 外務省 日本と国連

コメント

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