【簡単早わかり】IMFとは?概要・設立経緯・役割・位置づけ

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世界通貨基金(IMF)とは? 難しそうだけど、分かりやすく知りたい。

の疑問にこたえます。

世界通貨基金(IMF)とは

概要

IMF(International Monetary Fund、国際通貨基金)は、国際金融の安定を促進し、国際通貨協力を推進している国連機関です。

また、国際貿易や雇用、持続的な経済成長を促進し、貧困削減に貢献しています。

  • 加盟国数:190カ国
  • 本部:アメリカ ワシントンD.C.
  • 職員数:150カ国から約2,700人
  • 総裁:クリスタリナ・ゲオルギエバ(2019年10月1日~現職)

設立経緯

1MFは、1944年7月のブレトン・ウッズ会議(国際通貨金融会議)で設立が決定されました。

当時に出席した44カ国は、次を目指してIMFの設立を決めました。

国際経済協力の枠組みづくり

通貨切り下げ競争の回避

なぜこれを目指したのでしょう?

この理由には、第二次世界大戦の原因の一つとなった1930年代の世界恐慌を二度と起こさない!という決意が込められています。

世界恐慌では、各国が不況対策として各国通貨を大量に増刷し、通貨の引き下げ競争が起きました。

ドイツでのハイパーインフレは有名です。

第二次世界大戦は、閉鎖的・孤立的なブロック経済による利害対立、そして不況対策として戦争特需を狙ったことから世界的な大戦に至ってしまいました。

二度とこのような大戦はしないように、国際通貨制度の安定性を保てるようにIMFはつくられました。

役割

IMFの一番大切な役割は、国際通貨制度の安定性を確保することです。

国際通貨制度とは、世界の国々や人々が相互に取引を行う上で不可欠な為替相場制度や多国間決済制度を指します。

IMFの目的はこちらです。

  • 世界経済の安定化
  • 経済・金融危機になるリスクの防止
  • 世界的な生活水準の向上

この目的のために、次の活動を行いっています。

  • 金融支援
    • 国際収支の問題のある(or可能性のある)加盟国への融資。IMFの主な役割です。2007年からの世界金融危機をきっかけに、2009年にIMFは融資能力を強化しました。
  • 世界的な経済・金融の状況のモニタリング(サーベイランス)
    • 加盟国への政策助言
    • 世界経済見通しや国際金融の安定性に関するレポートの公開
    • 国家財政の動向をモニター
    • 主要経済国の対外資金ポジションのモニター
  • 能力開発
    • 加盟国がより良い経済制度をつくるためのキャパシティビルディングとして、IMFは技術支援と研修を提供しています。

位置づけ

IMFは、国際連合の専門機関です。

世界銀行とIMFの違いは何?と気になられた方も多いのではないでしょうか。

世銀とIMFは密に連携していますが、役割が異なります。

世界銀行は「途上国の開発のための融資」を目的とする一方で、IMFは「国際通貨制度の安定」を目的としています。

国連システムの概略図
[出典]国際連合システムより筆者作成

また、国連システムについては、こちらの記事でも解説しています。

Take Action!

いかがでしたか?

この記事では、IMFについて概要、設立経緯、目的、役割、位置づけを紹介しました。

国連職員を目指している方は、こちらの記事も参考になります。

頑張るあなたを応援しています!次の記事で会いましょう!

出展

(注1) IMFの概要

コメント

  1. […] […]

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