UNHCRで働くには:仕事内容、応募方法・倍率【クチコミあり】

UN
  • UNHCRでの仕事内容は?
  • 職員に求められる要件は?
  • 応募方法は?
  • UNHCRの職員さんの声を知りたい!

の疑問にこたえます。

この記事を読むとUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)での仕事内容、求められる要件、応募方法がわかります。

最後にクチコミを紹介していますので、最後までご覧ください♪

※国連UNHCR協会ではファンドレイザー等の募集も行っていますが、この記事ではそれではなく、UNHCRの職員を紹介します。

UNHCRの概要・仕事内容

概要

UNHCRは、難民を守るために活動する組織です。

世界中で戦争や迫害から逃れることを余儀なくされた人々を保護し、基本的な安全、権利、尊厳を確保するために避難所、食料、水などの救命援助を提供しています(注3)

  • 名称:The Office of the United Nations High Commissioner for Refugees(UNHCR)国連難民高等弁務官事務所
  • 活動開始  :1951年1月1日
  • 本部    :スイス/ジュネーブ
  • 現地事務所 :約135カ国
  • 職員数   :約12,000人(2023年時点)
  • 支援対象者数:約1億人超(2022年推定、出展はこちら

主な事業内容

  • 難民に対する「国際的保護」。難民の諸権利(強制送還の禁止・就業・教育・居住・移動の自由など)を守り、促進する
  • 緊急事態における「物的援助」、その後の「自立援助」─衣食住の提供、医療・衛生活動、学校・診療所など社会基盤の整備
  • 難民問題の解決へ向けた国際的な活動を先導、調整する任務 (注3)

仕事内容

UNHCR職員のうち87%がフィールドで勤務しています(2017年6月時点)

難民支援は、治安や環境の厳しいなかで行われることも多いので、タフさも求められます。職員の仕事内容はこちらです。

  • アドボカシー…難民や無国籍者に関する国家・地域・国際レベルの政策やサービスの変革に影響を与えます。
  • 庇護と移住…難民保護と支援の実践や、法的または政策的提言
  • 現金給付支援…難民に現金給付し生活再建を支援
  • 協調支援…国際機関、政府、NGOなどの援助機関どうしの協調を促進
  • 教育…難民1600万人のうち、600万人が5~17歳の就学年齢です
  • 無国籍者の保護…無国籍者は世界で1000万人以上。教育・保健・雇用・自由な移動といった基本的な権利を保障します。UNHCRは2024年までの無国籍問題の解決を目指しています。
  • 環境、災害、気候変動対策…2008年からは平均で2,250万人が天候が原因で避難)
  • 人道支援の革新…日々変化する人道支援のニーズに対応するために、人道支援の革新
  • 生活の再建…避難を余儀なくされた人々に対して、基本的ニーズと人権に即し、安全で持続的な生活を保障できるよう努めています。
  • 保護…難民や無国籍者の庇護や住居を支援することで、彼らの意思に反するような迫害のおそれ のある帰還がないよう努めています。また長期的には、自主帰還や庇護国での社会統合、第三国定住を支援します。
  • 公衆衛生…すべての難民が救命医療や適切な医療にアクセスできるよう努めています。
  • 個人の保護…すべての人が迫害や差別から自由である権利を持ちます。しかし、何千何万という人々が避難せざるを得ない状況にあります。避難を余儀なくされている人々が失われた生活を取り戻すために、彼らの権利を保護しています。
  • シェルター…個人の安全や自立した生活、そして尊厳のために重要です。現在、世界で260万人以上の人々が難民キャンプで生活しています。
  • 解決策…UNHCRは難民の保護と支援に力を入れていますが、究極の目標は難民の生活を再建する解決策を見出すことです。解決策には、母国に帰ること(自主帰還)、新しい国で生活を取り戻すこと(第三国定住)、避難先の社会に統合すること(庇護国での社会統合)が含まれます。
  • 難民に関するグローバル・コンパクト…2018年12月に国連総会で採択。大規模な難民危機への国際社会の対応の強化を目指し、受け入れ国の負担軽減、難民の自立促進、第三国定住などへのアクセス拡大、難民の自主帰還を促進できるよう環境整備という4つの目標を定めています。(注1)

求められる要件

ポストによって応募条件は異なりますので、希望するポストの空席公募を確認する必要がありますが、一般的には専門家や管理職では次の要件が求められます。

  • 関連分野での職務経験
  • 修士
  • 職務遂行が可能なレベルの英語力
  • そのほか国連公用語を1か国語以上あつかえると望ましい。(注2)

UNHCRへの応募方法

主な応募方法は2つあります。①JPO制度、②空席公募です。

JPO制度

JPO試験の「外務省選考枠」での応募となります。倍率は5~7倍ほどです。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

空席公募

一般的な応募方法で、全世界での競争となります。空席公募の基本的には内部向けであり、外部向けの公募は例外的です。各ランクに必要な経験年数は次の表をご覧ください。

UNHCRの空席公募と経験年数 (注2)

UNHCRの空席公募の情報はこちらをご覧ください →https://www.unhcr.org/careers.html

UNHCR職員になるまでのキャリア事例

UNHCRの契約職員にいたるまでのキャリアの例を紹介します。(注4~6)

  • 学士 → 修士(国際法・欧州共同体法) → 博士(MPhil/PhD)→ UNHCR駐日事務所
  • 学士、難民支援NGOでの活動 → UNHCRでのインターン経験 → 修士(人権・人道支援学) → UNHCR駐日事務所
  • 学士 → 海外ボランティア → 青年海外協力隊 → 修士(公衆衛生、ソーシャルワーク)→ ケースワーカー → UNHCR(JPO)

UNHCRで働くとは

国連フォーラムの「国連職員NOW!」から、国連職員で働いている人のインタビューを紹介します。役職はインタビュー当時のものです。

なぜUNHCRで働くことを選びましたか?

小坂順一郎さん(UNHCR日事務所)
小坂順一郎さん(UNHCR日事務所)

実は私は大学生まではUNHCRという機関を知りませんでした。しかし、1990年の緒方貞子さんの高等弁務官就任以降(1990‐2000)、クルド人問題や旧ユーゴ分裂、ルワンダなどの問題が立て続けに起こり、UNHCRや緒方さんの存在が非常に大きくなりました。その頃に、一生懸命な国連機関があるな、と思ったのがUNHCRを知ったきっかけです。…当時、国連は官僚的というイメージがあったのですが、UNHCR職員と直接話をして、UNHCRは地に足がついている現実的で実際的な機関であり、頭で考えるよりもまず体が先に動く組織だという印象を持ちました。(注4)

金児 真依さん(UNHCR駐日事務所)
金児 真依さん(UNHCR駐日事務所)

学部生時代、在日の難民の支援をしているNGOのお手伝いをしていました。…活動を通し、実際に戦争が起こっている国などから来た難民の方々と出会ったことが、私が難民問題に興味を持つきっかけとなりました。…「どこの国に生まれたか、どういう民族に生まれたか」という、自分の努力とも関係ない、コントロールのきかないことで、彼らと私の境遇が全く違うことに、単純な疑問を覚えたんです

「国連で働きたかった」というよりは、難民などマイノリティに関わる仕事がしたかったというのが、国連で働くことになった理由です。(注5)

仕事の魅力・やりがいは何ですか?

小坂順一郎さん(UNHCR日事務所)
小坂順一郎さん(UNHCR日事務所)

日本にいる難民の人たちと対面で話をすることを通して、庇護申請者や難民が漠然とした「UNHCRの支援対象者」ではなく、一個の人間として捉えられます。同時に具体的な問題に対して具体的な答えを出せない自分の無力さを知ることにより、彼らとの距離が近くなったような気がしました。そして、改めて自分の仕事にやりがいを感じました。(注4)

金児 真依さん(UNHCR駐日事務所)
金児 真依さん(UNHCR駐日事務所)

一言で言うと、自分が”useful”であると感じるとき、つまり難民の方の役に立てたと思うときです。やはりまず、難民該当性のある人が難民認定を受けることができたときですね。また難民の方が日本社会で活躍している様子を知ったときです。(注5)

苦労したこと、辛いと思ったことは何ですか?

小坂順一郎さん(UNHCR日事務所)
小坂順一郎さん(UNHCR日事務所)

国連という組織は人の入れ替わりが頻繁で引継ぎがあまりされないので、これらの知識はマニュアルを参照し、メールを通して本部の担当者と連絡することを通して自ら学びました。人間には理解の速度に違いがあると思いますが、大切なのは自分で正しい学び方ができること、それを工夫・発見できることだと思っています。(注4)

金児 真依さん(UNHCR駐日事務所)
金児 真依さん(UNHCR駐日事務所)

難民申請者が収容されている現状を目の当たりにすることですね。難民申請する人の多くはいわゆる不法入国や不法滞在をしているのですが、そういう人は他の外国人と同じように、入国管理局に収容されることがあります。例えば、パスポートもビザもなく空港について難民申請をすると、収容がなされます。

あと辛いことというと、すべての困っている人を支援できるわけではないということですね。たいへんな苦労をなさっているのだけど、「難民」の法律の定義にはあてはまらない、法の枠組みでは救えない方がいるのも事実です。プロフェッショナルとして、こういった方にNOと言うことは仕事だからやりますがやはり非常に辛いです。(注5)

国連職員を目指す方へのメッセージ

千田悦子さん(UNHCR駐日事務所 総務・経理担当官)
千田悦子さん(UNHCR駐日事務所 総務・経理担当官)

自分の頭で考えて行動しろですね。多くの人は教えてもらったことに疑問を持たずに行動しているのではないでしょうか。しかし、カエルの子がカエルである必要はありません。本当に自分が生きたい道を生きることが、その命を輝かせることに繋がると思っています。

どこに行っても、生き延びていけるという人間の強さ、人間が本来持っている強さを発揮できるのが理想です。怪我や病気をしたくないのであれば、UNHCRでの勤務は厳しいですね。また、なかなか結婚もできないかもしれません(笑)。それでも、すばらしい仲間に巡り合えますし、多くの喜びも得られます。心構えとしては、何かを選んだら、何かを捨てなくてはならないことを理解しておくと良いと思います。自分は何が好きで何ができるかを本気で考えてみてはどうでしょうか。(注6)

小坂順一郎さん(UNHCR日事務所)
小坂順一郎さん(UNHCR日事務所)

自分の尺度を持つことはすごく大事だと思います。いろいろな人の苦しみをわかるためには多くのことを経験しなくてはいけません。例えば、ひもじい思いをしたり、悔しい思いをしたり、差別されたり、外国人であるという思いをしたり。そういう経験をしながら自分のなかに尺度をつくらないと、他人の苦しみに対して敏感になれないでしょう。同時に、何が正しいかあるいは公平かも、若いときにいろいろな経験をして尺度を鍛えないといけない。実際、現場に行くときには嗅覚のようなものが必要になります。(注4)

Take Action!

いかがでしたか?

この記事では、UNHCRでの 仕事内容、求められる要件、応募方法 、クチコミを紹介しました。

UNHCRは、難民を守るために活動する組織です。

世界中で戦争や迫害から逃れることを余儀なくされた人々を保護し、基本的な安全、権利、尊厳を確保するために避難所、食料、水などの救命援助を提供しています。

UNHCR職員のうち約87%がフィールドで勤務しています。仕事内容は難民の庇護、現金給付支援、教育、生活の再建や政府に向けてのアドボカシーなど多岐にわたります。

求められる要件は、ポストにより異なりますが、一般的に次の要件が求められます。

  • 関連分野での職務経験
  • 修士
  • 職務遂行が可能なレベルの英語力

応募方法は、JPOと空席公募の2種類があります。

私は「国際協力で世界を良くする仲間を、1人でも増やす」という想いから記事を発信しています。

1人の力は小さくても、皆で集まると大きな力になると信じて。

頑張るあなたを応援しています!

次の記事で会いましょう!

出典

(注1) UNHCRの活動

(注2) 世界で活躍する仕事100 -10代からの国際協力キャリアナビ-

(注3) UNHCRの概要

(注4) 小坂順一郎さん(UNHCR日事務所)

(注5) 金児 真依さん(UNHCR駐日事務所 法務部・法務官補佐)

(注6) 千田悦子さん(UNHCR駐日事務所 総務・経理担当官)

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