【ワンピースから考える社会問題】公害病の脅威と向き合った歴史

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社会問題に興味がある人
社会問題に興味がある人

ワンピースで、メタファー的に取り上げられている社会問題について、分かりやすく、知りたい!

天竜人が人を奴隷にしてたけど、これって現実社会でもあるの?

▽この記事で分かること

  • アニメ「ワンピース」より。トラファルガー・ローの過去、珀鉛病の公害
  • 今も要注意!重金属のリスク
  • 私たちにできること
筆者クオッカ
筆者クオッカ

この記事の作者は、ワンピースが大好きな、人道支援NGOの現役スタッフです。

ワンピースの中では、いくつか実在する社会・環境問題がメタファーとして使われています。

ワンピースは社会の縮図、と言われるほどです。

読者の皆さんにとって、世界での社会・環境問題を楽しく学び、興味をもつきっかけになれれば嬉しいです。3分ほどで読めます。

※ワンピース作者が、実際にこの社会・環境問題を参考にしているかは分かりません。メタファーから連想される社会・環境問題を、独断と偏見で紹介しています(*^^*) ご了承ください♪

アニメ「ワンピース」より。トラファルガー・ローの過去、珀鉛病の公害

[出展] https://www.maniado.jp/community/neta.php?NETA_ID=21973

トラファルガー・ローが生まれ、幼少期を過ごしたフレバンス王国はノース・ブルー(北の海)にあり、白い町と言われている美しい国です。

ローの両親はフレバンス王国で名医と称される医者です。

その両親と妹・ラミとの4人家族で仲良く暮らし、親から医学を教わっていました。

フレバンス王国で発見された鉛の一種と言われる「珀鉛(はくえん)」は、美しい白色をしており、アクセサリーや化粧品、食器や甘味を出す調味料、さらには武器などに加工され、世界各国に輸出し、王国を代表する主要な産業となりました。

しかし、その繁栄の影で珀鉛から出る毒素に蝕まれる者が出てきました。

珀鉛が人体に有害であることが世界政府も分かっていたのですが、富を手放すことを恐れ、その事実を秘密にしていました。

しかし、日々蓄積された珀鉛によって、子どもの寿命は年々短くなり、王国の多くの人々が同時に病を発症し、「珀鉛病」と名付けられました。

珀鉛の中毒で発症したはずが、伝染病であるかのように人々は恐れました。

そのため、王国は世界から隔離され、周りの国は包囲網をしきます

世界から孤立していくフレバンス王国は、やがて他国との戦争へと追い込まれていきました。

「珀鉛病」の患者はすべて殺害され、ローの両親と妹のラミも無残に殺されました。

幼少期の幸せな頃から一転、トラファルガー・ローは10歳にして家族、友達、すべてを失ってしまったのです。

今も要注意!重金属のリスク

日本での四大公害

たしか、以前に公害病があった覚えがある。

どんなのだったっけ?

そうですね、学校で四大公害病を習ったと思います。

まずはおさらいしましょう。

四大公害病とは、高度経済成長期に発生した、「水俣病」、「第二水俣病」、「四日市ぜんそく」、「イタイイタイ病」のことです。

イタイイタイ病 は、骨がもろくなって、イタイイタイと言いながら死んでいく描写は似てますね。

珀鉛病の症状、全身白くなって、イタイイタイと死んでいく様子は似てますね。

イタイイタイ病の被害者の声

イタイイタイ病の損害賠償請求訴訟の中心的存在だった、故小松みよさんの生涯を紹介します。

小松さんは1918年、旧婦中町(現富山市)に生まれました。

地域は農業や生活用水をカドミウムで汚染された神通川に頼り、実母と義母が相次いでイタイイタイ病を発病して亡くなりました。

小松さん自身も30歳を過ぎて発病します。

胸から始まった激痛が全身に広がりました。

骨も弱くなり、骨折を繰り返して身長は約30センチも縮んだ

1968年3月、小松さんら患者と遺族計28人が原因企業の三井金属を相手取り損害賠償を求めて提訴します。

訴訟で小松さんは、病気への差別や偏見から「業病」や「奇病」と言われてきたことについて、このように訴えたといいます。

小松さん
小松さん

その苦しみは味わったものでなければわからない

1971年に一審で勝訴。小松さんは会見でこのように述べました。

小松さん
小松さん

すでに亡くなられた方も、今までいらっしゃればどんなに喜んだことでしょう

公害対策の流れ

政策面ではどんな対策がなされているの?

1967年に公害対策基本法が施行され、公害対策がはじめられました。

この法律は、1993年施行の環境基本法に吸収されます。

その中で、このことが規定されています。

  • 環境への負荷
  • 地球環境保全
  • 公害

現在、「2050年までにカーボンニュートラル」を目指すために、更に加速。

2021年に地球温暖化対策推進法が閣議決定されました。

また、ESG投資の促進により、企業の環境配慮の意識は高まりつつあります。

鉛など重金属の被害は続く

政府が対策して、環境はどんどん良くなる方くになってるんじゃない?

個人でも注意は必要です。

食物連鎖の頂点である人間には鉛などの重金属がたまるリスクが高いです。

鉛は体内に蓄積します

鉛は、身近な金属で、身の回りでさまざまに使われています。

例えば、釣り具、水道管、工場からの排煙など。

鉛の恐ろしさは、その蓄積性です。

体に吸収されると、9割以上が骨に蓄積され、そのうち半分がデトックスされるまで5年かかると言われています。

▽鉛中毒の症状

  • 疲労感
  • 便秘
  • 不眠、神経過敏
  • 頭痛
  • 脳の損傷による脳症(急性鉛中毒)

あなたに当てはまるものはありませんか?

普通に生活するだけで、重金属は体にたまります。

鉛などの重金属は体にたまり、次の子どもに引き継がれてしまいます。

[出展] 鉛は人体と環境へ悪影響を及ぼす

▽鉛などの重金属の摂取経路

  • 水道水(地域によって差が)
  • 化粧品(口紅、アイライナー、アイシャドウ、日焼け止めなど)
  • 農薬
  • アマルガム
  • 家具(防火仕様の物、マットレス、車のシートなど)
  • 一部の薬
  • e-シガレット
  • 排気ガス

こういったものに注意が必要ですね。

Take Action!

いかがでしたか?

この記事ではこれを紹介しました。

知る・行動する

  • アニメ「ワンピース」より。トラファルガー・ローの過去、珀鉛病の公害
  • 今も要注意!重金属のリスク

より学んだうえで、考えて行動することが自分や子どもの身を守ることにつながります。

また、ワンピースやその他アニメを観る時「これって現実社会だとどうなのだろう?」と考えてみるのも大事です。

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環境保護や、持続可能な自然資源利用のために活動しているNPOを支援することも方法です。

働く

公害問題の解決や、次世代に良い環境を残すために、国連、NGOなどで働くことも方法の一つです。

こちらの記事を参考に、キャリアを考えてみましょう。

私たち一人ひとりの力は微力ですが、集まれば大きな力になります。

頑張るあなたを応援しています!

次の記事で会いましょう!

出展

(注1) 地球の抱える環境問題

(注2) 環境省:地球温暖化対策推進法と地球温暖化対策計画

(注3) 朝日新聞:苦しみ、味わったものにしか イタイイタイ病との闘い

(注4) 鉛は人体と環境へ悪影響を及ぼす

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