【ノーベル平和賞】マリア・レッサさんの経歴、受賞理由【報道の自由】

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ノーベル平和賞を受賞したマリア・レッサさんはどんな人?

受賞理由は?

彼女から学ぶべきことは何だろう?

この記事では、2021年にノーベル平和賞を受賞したマリア・レッサさんを紹介します。

フィリピン政府の悪事も真実として報道し、10回も逮捕状を出されるも、「報道の自由は全ての権利の土台に」という信念から、活動を続ける彼女。

その人生はドラマチックで、受賞理由は勇気に溢れるものでした。

そんなマリア・レッサさんについて、こちらを紹介します。3分ほどで読めます。

マリア・レッサさんの経歴

概要

  • 名前:Maria Ressa (マリア・レッサ)
  • 誕生日:1963/10/2
  • 国籍:フィリピン マニラ
  • 職業:ジャーナリスト。メディア「Rappler」のCEO
  • 大学:プリンストン大学
  • 著作:「Seeds of Terror」、「Bin Laden to Facebook」

幼少時代から大学

マリア・レッサさんは1963年にフィリピンで生まれ、10歳のときに親と一緒にアメリカのニュージャージーに移りました。

彼女は当初、医学の学位を取得したいと考え、プリンストン大学の分子生物学コースに参加しましたが、後に英語に切り替え、優等学位を取得しました。

彼女はまた、プリンストンで演劇のクラスを取り、演劇で演じ、バンドで歌い、バスケットボールなど幅広く才能を発揮しました。

卒業後、彼女はフルブライト奨学金を授与され、1986年にフィリピンに戻り、劇作家としてのキャリアを考えていました。(注1)

キャリア

マリア・レッサさんは政治劇作家から方向を変え、1880年代後半からジャーナリストとしてのキャリアを歩みます。彼女のキャリアでの要点はこちらです。

  • 1998年~2005年 CNNマニラ局長やジャカルタ局長を歴任
    • 史上最年少。17年間アジアでの社会問題やテロリズムを取り上げる。
    • インドネシアの暴動(‘98年)、東ティモール危機(‘99年)、EDSA革命(‘01年)などを報道
  • 2005年~2010年 ABS-CBNニュースと時事部門に加わり、部門長に
  • 2005年4月 国際テロ会議に参加 @タイ・バンコク
  • 2012年 オンラインメディア「Rappler」を共同設立

ニュースサイト「Rappler」での発信

マリア・レッサさんは、麻薬一掃を目指すフィリピン大統領ロドリゴ・ドゥテルテが主導する凄惨な麻薬戦争の実態を誰よりも先に調査し、告発しました。

彼女は、強権を前にしてジャーナリストが声を上げなければ、黙認したことと同様だと主張。

マリア・レッサさん
マリア・レッサさん

沈黙は共犯です

強引な麻薬撲滅作戦で市民に多数の死者が出ている実態などを報じました。

ドゥテルテ大統領はRapplerを「フェイク(偽)ニュース媒体」と目の敵としており、不快感を隠していません。

2019年には、過去の報道を理由にマリアさんは「サイバー名誉毀損」容疑で摘発されました。これは、批判的な報道によって政権の標的となったとする見方が強いです。

Rappler自体にも締め付けの思惑から脱税容疑が掛けられます。

それでも、マリアさんは批判の手を緩めませんでした。

2020年に令状なしで長期間の逮捕・拘留を可能とする「反テロ法」が施行された際には、このように反発しています。 (注2)

マリア・レッサさん
マリア・レッサさん

(政府に対して)批判的な意見をいう人がテロリストとして認定される

受賞歴           

大胆不敵で真実のジャーナリズムに対して数々の名誉と賞を受賞しています。

  • 2015年 第29回「PMPC Star Awards for Television」でフィリピン映画記者クラブによる「放送生涯功績賞」を受賞
  • 2017年 「National Democratic Instituteの民主主義賞」を受賞
  • 2018年 「Golden Pen of Free Award」を受賞
  • 2018年 タイム誌の「年間最優秀人物」を受賞 (アキノ前大統領に次ぎ2人目)
  • 2021年 ノーベル平和賞を受賞

ノーベル平和賞受賞理由

Nobel Prize lecture: Maria Ressa, Nobel Peace Prize 2021

2021年10月8日、フィリピンとアメリカの二重国籍を持つジャーナリストのマリア・レッサさんとロシア人ジャーナリストのドミトリ・ムラトフさんがノーベル平和賞を同時受賞しました。

両氏の受賞理由について、ノーベル賞選考委員会は『フィリピン、ロシア共に政権による報道の自由が圧迫されている中で、平和と民主主義を守るために果敢な戦いを続けているジャーナリスト』と称えています。

受賞を知った時の気持ちとして、FIGAROのインタビューで、マリア・レッサさんはこのように述べています。

マリア・レッサさん
マリア・レッサさん

本当にびっくりしました。こんなことは夢でしかありえないと思っていましたから。

でもこの賞は、私や「ラップラー」やフィリピン国民だけでなく、世界中のジャーナリストに贈られたものです。

民主主義の正しい機能と平和のために、表現の自由と報道の自由がいかに重要であるかがこれで明らかになりました。

…表彰されることで、むしろ重荷が少し軽くなるのだと学びました。

なぜなら受賞が一種の盾となるからです。

光に照らされている人に刃を突き刺すのは難しいものです。みんなが見ているわけですから。

▽ノーベル平和賞の受賞スピーチはこちら

Take Action!彼女からの学び

いかがでしたか?

この記事では、こちらを紹介しました。

  • マリア・レッサさんの経歴
  • ノーベル平和賞受賞理由

マリア・レッサさんを通じて、私たちが学ぶべきこと3つを紹介します。

勇気

一番は、命をかけて真実を世に広める、その生き様だと思います。

友人のジャーナリストが、政権に都合の悪い真実を発信して、暗殺されたり、毒殺されます。人間なので恐怖と強情の間で揺れながらも、リスクを覚悟して、「だからこそ、やる!」と信念を貫く勇気。

そのあり方からの学ぶことは多いのではないでしょうか。

情報を多面的に捉える

ある情報を1面から捉えると良くても、他面では問題があるケースは多々あります。

フィリピンのケースでは、麻薬戦争での取り締まりの成功する一方で、多くの市民が死亡している事実もあるのです。

同じような例は、日本でも数多くあります。例えば、アベノミクスで株価が上がり一部の上場企業は得をしましたが、物価も上がり、生活は厳しくなった方も大勢ありました。

1つの事象を多面的に捉えることは重要です。

真実を知り、発信する

彼女が発信しているフィリピンの社会問題をより知ることも方法です。

Maria Ressa: The woman at the front lines of fighting fake news | Full Documentary

▽ノーベル平和賞の受賞スピーチはこちら

頑張るあなたを応援します!

次の記事で会いましょう!

出展

(注1) Celeb-true Maria Ressaは、フィリピンのジャーナリスト、実業家、著者、グローバルテロリズムの専門家であり、オンラインニュースウェブサイト「Rappler」のCEO

(注2) ドゥテルテ政権批判「沈黙は共犯」マリア・レッサ氏

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