ストリートチルドレンの現状は?どの国で多いの?子どもたちはどんな生活をし、どんなリスクがあるのか?
の疑問に、NGOで働く筆者が第三者的な視点で回答します。
発展途上国に行ったことのある方は、一度は路上でストリートチルドレンを見かけたことがあるのではないでしょうか?
この記事では、ストリートチルドレンの現状、統計上多い国、原因そしてリスクを解説します。
ストリートチルドレンの現状

概要
ストリートチルドレンとは、都市の路上で寝泊まりをしたり、生きるための活動をしている子どもたちのことを言います。
明確な定義はありませんが、USAIDによる分類では、ストリートチルドレンには4つのカテゴリーがあります。
- 家がなく、家族からの支援もない子どもたち
- 定期的に家に帰るが、ほとんどの時間を路上で過ごす子どもたち
- 家族自体がホームレスで、家族とともに路上で生活している子どもたち
- 保護されているが、路上生活に舞い戻る可能性のある子どもたち (注1)
統計
国連は世界のストリートチルドレンは、1億~1.5億人以上と推定されています。
誰も確かな人数を知りません。なぜならストリートチルドレンは公式な国勢調査や人口調査の結果には含まれず、存在が把握されていない子どもも多いためです。(注2)
今後、途上国での都市化が進むにつれて、ストリートチルドレンが増えるのではないかといわれています。
世界でストリートチルドレン支援を行っているCONSORTIUM FOR STREET CHILDRENは、2016年に世界でのストリートチルドレンについて次のような統計を公開しました。(注3)

ストリートチルドレンの多い国として、アメリカ(約250万人)、ナイジェリア(約120万人)、バングラディッシュ(約40~68万人)、ベニン(7,800人)、チリ(2,343人)などが挙げられています。
また、レバノン、トルコ、ヨルダンなどで暮らすシリア難民の子どもは約200万人、イラクからの難民の子どもは280万人ともいわれています。(2016年時点)
ストリートチルドレンが生まれる原因
家庭の問題
- 幼くして親を亡くしたから。戦争や自然災害、病気で親を亡くすと、自宅に暮らせなくなりストリートチルドレンになります。
- 家出をしたから。家庭内暴力などで家での居場所を亡くした子ども、豊かな生活を求めて農村部から都市部に出てきた子どもなどがストリートチルドレンになります。
- 自ら家を出るのではなく、家をなくしたから。育児放棄や育児放棄などが原因で、親に捨てられる子どももいます。
社会の問題
- 国内の経済停滞、都市部と農村部での経済格差の拡大、紛争や自然災害による貧困が原因で、ストリートチルドレンが生まれてしまうことがあります。
- 子どもたちへの教育や保健衛生などの社会保障が不十分なことも、子どもたちを過酷な環境に追い込んでいる要因となっています。
ストリートチルドレンの生活とリスク
ストリートチルドレンは、路上で日銭を稼いで暮らしているため、次のようなリスクがあります。
- 教育を受けていない親も多いため、親が教育の大切さを知らず、学校に通わせてもらえず将来の選択肢の幅が狭まるリスク
- 衛生環境が悪く、感染症にかかるリスク
- 生きていくための厳しい労働
- 貧しい生活で、食事も満足に食べることができないリスク
- HIV/AIDSなどの性感染症のリスク
- ドラッグと隣り合わせの生活により、薬物中毒のリスク
- 性的な暴力のリスク(特に女の子)
- 人身売買されるリスク
- 警察当局の取り締まりによる暴行や大人からの暴行をうけるリスク
このような厳しい生活で、リスクにさらされながらも、「家族のために」と物を売って稼いだり、弟妹の面倒を見て頑張っている子どもたちもいます。
Take Action!

いかがでしたか?
今回は、ストリートチルドレンの現状と問題点を解説しました。
次の記事ではこの問題を解決するために活動しているNGOについて紹介します。
頑張るあなたを応援しています!次の記事で会いましょう!
出典
(注1) ボランティアプラットフォーム ストリートチルドレンとは?
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