国際協力NGO/NPOで働く!【就職戦略 & 働き方を徹底解説】

NGO
  • 国際協力NGOで働きたい!NGO/NPOの業界はどうなっているの?
  • NGO/NPOで働いて人並の生活をするためには、どうすればいいの?

という疑問に答えます!

私、クオッカは、国際協力NGOでプロとして働いて生活できる水準の給与をもらっています。しかし、これはキャリアの組み立てや情報収集・整理に迷い、2~3年ほど遠回りしてきた道でもありました。

この記事では、学生や就活の時に知りたかったことをまとめました。国際協力NGOで食べていける仕事は狭き門ですが、戦略を立てキャリアを組み立てていけば誰でも実現できます。読者の皆さんがより効果的に夢に近づくお手伝いをできれば何よりです。

この記事を読むと、次のことが分かります。

  • 日本の国際協力NGOの状況
  • 国際協力NPOの国内サポートの仕事の5つまとめ
  • 国際協力NPOで働くのに必要な能力・経験
  • 国際協力NGOで働く人の給与・学歴
  • 国際協力を仕事にして生活するための戦略

日本の国際協力NGOの状況

日本には約5万のNPOがあり、分野は医療保健、子供、難民、食料、教育、環境、平和などの多岐にわたります。

国際協力NGOの働き方も、既存の国内NGOでのサラリーマン的な働き方、新たにNGOを立ち上げる起業家の働き方、海外NGOでの高給取りのエリート的な働き方などさまざまです。

この記事では、もっとも関わる人の多い「既存の国内NGOでのサラリーマン的な働き方」をご紹介します。

国際協力NGOの有名どころでは、このような団体があります。(ここでは詳しい説明は避けますが、NPO≒NGOと考えてください。また、日本赤十字はNPOでもなく政府機関でもない独自のポジションですが、国際協力NGOの枠として紹介します)

日本赤十字、国連ユニセフ協会、国境なき医師団、World Vision、Save the Children、Plus、Plan Japan、国連UNHCR協会、国連WFP協会、フローレンス、カタリバ、難民を助ける会、クロスジョブ、クロスフィールズ、あしなが育英会、かものはしプロジェクト、国境なき子供たち、子供地球基金など

コロナ時代のNGO/NPO

NGO/NPOはコロナ時代で二極化する傾向にあります。多くの方の新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)への関心が高く、コロナ対応に使途を絞った支援を募る事ができる団体には、多くの寄付が集まる傾向があります。

(団体の例:国連ユニセフ協会、国境なき医師団、World Vision、国連UNHCR協会、国連WFP協会、フローレンスなど)

その一方で、どれだけ素晴らしい活動を行っていても、コロナ対応に使途を絞った募金を行えないような団体や寄付金収入の多くをイベントやスタディツアーに頼っているような団体は存続の危機にあるところもあります。

日経新聞「コロナでNPO苦境 活動ままならず、寄付金は減少」(2020/6/16)

苦境にある団体では、従業員への人件費の支払いも厳しく、新たに人材を採用することはなおさら難しいでしょう。

そこで、就職先を探す際にはNGO/NPO団体の、支援地域、活動内容、収入/支出、寄付金の募り方、そしてコロナ対応についてもチェックする必要があります。

国際協力NPOの国内サポートの仕事の5つまとめ

どのNGOにも共通して存在する機能はこちらです。大きいNGOでは機能別に分業していますが、小さいNGOではスタッフはいくつも役割を兼業して対応しています。

事業管理

支援の対象地域について、開発援助のプロジェクトをつくり、運営管理・モニタリング・評価を行います。

ファンドレイジング/マーケティング

ファンドレイジングとは、活動のための資金を個人や法人、政府から募ることです。役割は大きく、①個人や法人への営業、②ニュースレター、CM、WEB広告等のマーケティングの2つがあります。

広報

対外的に活動報告や情報発信を行います。役割は大きく、①ホームページの記事執筆などのライティング、②新聞やニュースなどの取材対応、③大人数向けのイベント運営・開催という役割があります。

アドボカシー

政府や市民社会に向けて働きかけを行います。TICADなどの国際会議に参加し、政府系機関や国際機関との調整も行います。

管理部門

日々の業務は一般的な企業の財務や総務と同じ部分もあります。採用や育成・評価、給与の支払や税金・社会保険関係の手続き。法人として必要な総会・理事会の開催、登記や年次の報告などを行います。

国際協力NPOで働くのに必要な能力・経験

最も確実な方法は、応募したいNGOの求人情報を確認することです。ここでは、一般的にNGOに必要な能力・経験を紹介します。

World Vision Japan (WVJ)ではNGOに向いている人、求められる能力をこのように紹介しています。

■WVJに向いている人

・正解がないことを楽しめる人

・問題の根本原因を掘り下げていくのが好きな人

・仲間と仕事するのが好きな人

・成長したい人

■求められる能力

・課題解決力

・思考能力

・自己管理能力

・関係構築能力

[出典] 国際NGOへの就職を考えるあなたへ:事務局長、常務理事から

私もこれにとても共感しています。私が応募した団体でも、課題解決力や関係構築能力が求められました。

また、「国際協力師になるために」では、このような要件が挙げられています。この要件は、国連で働きたい人や、現地支援をしたい人に特に必要になってきます。

①英語力(実際は希望組織により異なる)

②大学院修士(なんらかの開発分野での専門性の証明)

③2年間の海外勤務経験(JICA協力隊、国連ボランティア、NGOの海外派遣など)

[出典] 白水社「国際協力師になるために」山本敏晴 著

以上に加えて、あたなが狙うポジションでの業務に必要なスキル・経験を備える必要があります。

マネージャーならマネジメント経験、ニュースレター作成ならライティングスキル、法人営業なら営業経験・実績、対外イベント開催ならイベント企画・運営の経験などです。

NGO/NPOで働く人の給与・学歴

給与

JANICがNGO52団体・659名に対して行った「NGOセンサス2017」によると、有給職員全体の平均給与は、341万円です。

性別・年代別のNGO職員の給与について、この記事の読者層で多い20~30代ではこのようになっています。

[20代] 平均 276万円、男性 288万円、女性 262万円

[30代] 平均 326万円、男性 333万円、女性 310万円

図1 有給職員の性別・年代別給与グラフ [出典]NGOセンサス2017

また、内閣府が行った「平成29年度(2017年) 特定非営利活動法人に関する実態調査」では、JANICより多く、全国の6,452のNPO法人を対象に調査を行った結果、このようになりました。

有給職員の人件費は、平均値 149.1万円です。常勤有給職員では、平均値 232万円です。また、認定をうけている法人の方が給与が10万円ほど高くなっています。

図2 有給職員の人件費について [出典] 平成29年度(2017年) 特定非営利活動法人に関する実態調査
NGOで働く人の学歴

JANICの「NGOセンサス 2017」によると、アンケート対象の343名の内、60%が大学卒、18%が海外大学院修士、15%が国内大学院修士でした。

図3 NPO職員の学校歴 [出典] NGOセンサス2017

私は「国際協力の仕事には大学院修士が必須なのでは…」と思っていたので、この結果はとても意外でした。国際協力NGOでは、大学卒でも、必要なビジネススキルや経験があれば十分に戦力になれるということですね。

あなたはどれくらいNGO/NPOからの収入を得たいですか?

年収100~200万円台であれば、比較的に選択肢は多くなります。NPOで働く全ての有給職員の約50%はこのレンジの収入で働いています。パートナーの扶養の範囲内で収入を得ればいい人、本業があり副業としてNGOからの収入を得たい人、もしくは家庭を持たずに生きていきたい人であれば、この収入で暮らしていけるかと思います。

年収300~500万円台を希望であれば、国内の有名なNGOへの正社員(常勤有給職員)として就職する方法があります。これくらいの収入があれば、結婚・出産も考える事ができそうです。

年収600万~を希望であれば、有名なNGOの中途採用でもこの給与水準のポジションがオープンされるのは稀です。有名なNGOの中でのキャリアアップで目指ざす、もしくはアメリカなどの海外での国際協力NGOで働くことが考えられます。

国際協力を仕事にして生活するための戦略

3C分析(Company, Customer, Competitor)

3C分析は、戦略立案のうえでの伝統的なマーケティングフレームワークです。私はコンサルで働いた経験から、他にもいくつかフレームワークを適応できないか考えましたが、この3C分析が一番効果的でしたので、考えを整理する際におススメです。

  • Customer:市場・顧客 (=NGO市場、応募したい団体)
  • Competitor:競合 (=他の応募者)
  • Company:自社 (=あなた自身)
図4 3C分析 [出典]筆者作成

実際は、Competitor (競合)を知り、分析することは難しいです。その代わりに過去の採用実績で、どのような人が採用されたか?どんな人が働いているか?を知り、対策を考えることはできると思います。

一番は大切なのは、あなた自身との対話です。本当は何を求めているか?自分の強み、弱みは何か?を考え、自分と向き合いましょう。

あなたは、どの団体、どのポジションを狙っていきますか?

ニーズが増えている分野で強みを身に着け、アプローチする

最近のファンドレイジングのトレンドは、キーワードは「WEBマーケティング」、「遺贈寄付」だと思います。

WEBマーケティング

YouTubeやサイト上でNGOの広告を見かけたことはありますか?

最近のテレビ離れとYouTubeの視聴者の増加や、インターネット利用の普及でWEBマーケティングの重要性が増しています。現場では、各団体のWEB上での競争は日ごとに増していて、このチャリティ業界全体を盛り上げて行こう!という機運を感じます。

業界大手のユニセフの募集要項にも、「WEBマーケティングの経験」が記載されたそうです。

WEBマーケティングの良いところは、初心者でもイチから学べることです。サイト運営、YouTube発信、TwitterやFacebookなどのSNS発信など、方法は様々です。初期投資は低く参入でき、成功のノウハウはネット上にあふれています。そこで何か実績を作れば、新卒であってもNGO団体への就職が叶う可能性もあります。

遺贈寄付

日本での少子高齢化の中、5人に1人は社会を良くするために遺贈寄付の意向があるにも関わらず、実際には遺言の作成は4.9%と低い状況です。(注1)このギャップに遺贈寄付の伸びるポテンシャルがあり、各NGOは日本に遺贈寄付を浸透させるために、協力して取り組んでいます。 遺贈寄付担当の即戦力になるハードルは高いですが、法人営業や、高齢者向けサービスの経験、NGO勤務経験、グリーフケアの知識等を身に着けることできっと生きてくるはずです。

Take Action!

あなたの夢を叶えるには、求めるものを明確にして、行動し続けることが大切です。

  • ゴール(目指す団体・ポジション)から逆算してキャリアを組み立てよう!そのために、3C分析など考えることを通じて、自分と向き合うことが大切です。
  • 強みを身つけて、チャンスが来たらモノにできる自分になっておこう!チャンスの神様には後ろ髪がありません。一発勝負でチャンスをつかめる自分になっておきましょう。
  • 情報収集しよう!このサイトでも随時情報をお届けしていきます。

オススメの本・サイト

国際協力で働いている人について知るために、このような記事や本が参考になります。

World Vision:国際NGOへの就職を考えるあなたへ:マーケティングを支える担当者より

AAR Japan:「ぼくが国際協力の仕事を選んだ理由」中川善雄-これから国際協力の分野を目指す人たちへ

「国際協力をしごとに。」では、頑張るあなたを応援します!

次の記事でお会いしましょう!

【出典】

(注1) 遺贈に関する意識調査結果について (2017年)

コメント

  1. Lamont Mehrotra より:

    i love this good post

  2. paxil online より:

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