ESGレーティングとは:おススメの格付機関3つ【ESG投資の初心者向け】

SDGs/ESG
  • ESGレーティング(格付け)とは?
  • 信頼できるESGの格付機関は?

の疑問にこたえます。

この記事では、ESGレーティングの種類、格付機関、投資判断への生かし方を解説します。

ESGレーティングとは

ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の英語の頭文字を合わせた言葉です。

投資するために企業の価値を測る材料として、これまではキャッシュフローや利益率などの定量的な財務情報が主に使われてきました。それに加え、非財務情報であるESG要素を考慮する投資を「ESG投資」といいます。

社会貢献となる企業への投資判断に生かすため、ESG評価会社がレーティング(格付)を行っています。

世界初のESG(SRI)インデックスは、1990年に開発されたMSCI KDL 400 Social Index(当時:Domini Social 400 Index)でした。現在は1000を超えるESGインデクスが乱立し、ESG評価会社により基準が異なる中で、その評価会社を「評価」する動きも出てきました。(注1)

その代表的なものが、イギリスのSustainAbilityによる「Rate the Raters」です。「Rate the Raters」は、機関投資家へのアンケートとインタビューに基づき、「」と「実用性」の2つの基準で評価をしています。

2020年3月の「Rate the Raters 2020」によると、投資家が使えると評価した指標の評価結果はこちらです。

機関投資家によるESG格付の実用性評価 
[出典] Rate the Raters 2020

次の章では、Rate the Raters 2020で上位3つの格付機関である、サステナティリクス、CDP、MSCIについて紹介します。

おススメのESG格付機関 3選

サステナテナリティクス(Sustainalytics)

サステナリティクスはオランダに本社を置くESGリサーチや評価を行う企業で、株価指数の名称ではありません。

サステナリティクスの評価は、約11,000社に対して総合的に次の項目等を評価して「ESG Risk Rating」を算出しています。

  • どの程度リスクにさらされているか(Total Exposure)
  • どの程度リスクを管理できているか(Managed Risk)
  • 管理可能にもかかわらず管理できていないリスクはどの程度か(Management Gap)

評価項目ごとのポイントも公開され、投資家などの情報利用者は総合評価だけでなく、項目別でも企業を比較できます。

リスクレベルは5つ(無視できる低さ、低、中、高、重大)に分類され、評価結果は0(低)〜100(高)のポイントで表されます。

その評価結果はSTOXXやモーニングスターの株価指数作成に活用されています。グローバルなカバー範囲の広さと企業の持続性評価、透明性などに定評があります。(注3)

▽サステナテナリティクスの企業ESGリスク格付はこちら

Sustainalytics, Company ESG Risk Ratings

CDP

CDPは、投資家の要請に基づいて、企業に気候変動対応や関連する情報の開示を求めるために設立された国際環境NGOです。

CDPは、旧名称のCarbon Disclosure Projectの略語です。

調査項目は、気候変動から対象範囲を拡大させ、水セキュリティや森林コモディティをテーマとする評価も行っています。

企業だけでなく、国家、地域、都市の評価も実施しています。 (注4)

CDPの格付けは、温室効果ガスの排出や水資源管理などの評価に定評があります。

▽CDPによる企業格付はこちら

CDP Scores

MSCI

MSCIは、モルガン・スタンレーとキャピタル・グループを株主として設立されました。インデックス名としてもMSCIが使われています。

国際的な株式投資のベンチマークとして利用されており、ESG関連の指数だけでも数百種類あるといわれています。

MSCIは、甚大なコストが発生したり市場機会に影響したりする課題を産業ごとにキーイシューとして特定し、そのイシューにフォーカスしてESG格付けを決定します。

MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数は、親指数(MSCIジャパンIMIトップ700 指数:時価総額上位700銘柄)構成銘柄の中から、親指数における各GICS®[1]業種分類の時価総額50%を目標に、ESG評価に優れた企業を選別して構築される指数です。

この選別手法により、ESG評価の高い企業を選ぶことで発生しがちな業種の偏りが抑制されています。(注5)

GPIFが採用したESG指数「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」「MSCI女性活躍推進指数」は、MSCI JAPAN IMI指数に採用された企業をベースとしています。

この指数は、日本に上場する大・中・小型株を対象にしたインデックスで、日本株市場の約99%をカバーしています。カバー範囲の広さとレポートの質に定評があります。(注6)

▽MSCIによる企業格付(2020年6月現在)はこちら

MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数の構成銘柄

Take Action!

ESG投資は、長期的な環境・社会・ガバナンスの安定した会社に投資でき、安定的なパフォーマンスを期待できるというメリットがあります。

投資先の企業の検討にあたっては、次のESGレーティングを参考にしてはいかがでしょうか。

頑張るあなたを応援しています!次の記事で会いましょう!

出典

(注1) 田瀬和夫氏「SDGs思考 2030年のその先へ 17の目標を超えて目指す世界」

(注2) Rate the Raters 2020: Investor Survey and Interview Results March 2020

(注3) Sustainalytics ESG Ratings(サステナリティクス)

(注4) CDP

(注5) MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数

(注6) MSCI ESG Indexes (MSCI)

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